Rassvet 歩行編

久々にお手入れする上でちょいと模様替え。読んだ本とか行った場所について買いてくつもりです。

書評:下学上達の本棚

下学上達の本棚:第39回「MASTERキートン Reマスター」浦沢直樹,長崎尚志

おお! 懐かしい友を紹介しよう。 世界一教養ある探偵兼保険調査員、キートン君だ!! (ベコー「MASTERキートン Reマスター」) MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス) 作者: 浦沢直樹,長崎尚志 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/11/28 メデ…

下学上達の本棚:第35回「古墳の歩き方」まりこふん

府中市といえば大國魂神社を筆頭に名所旧跡があちこちにございますが、南武線西府駅の近くにある武蔵府中熊野神社古墳も有名ですよね。 この古墳は全国でも珍しい「上円下方墳」という形で、四角い土台の上にドーム状の二階部分がくっついてる、昔はやった「…

下学上達の本棚:第36回「故事成句でたどる楽しい中国史」井波律子

「………全体的にみれば、時代が下るほど、中国の人々は故事成句を作り出すことよりも、すでに存在する故事成句をここぞという場面で、臨機応変に使いこなすことに力点をおくようになります。この傾向は現代に至るまで変わりません。」 (「故事成句でたどる楽…

第37回「増補新板 歴代首相物語」御厨貴 編

2014年11月18日、衆議院を解散して総選挙を行うことが表明されました。 まあなんで解散したのとかはさておき、これでまた12月に選挙が行われます。 選挙の後は特別国会で総理大臣指名という手順を踏むわけですが、対抗馬もいないんで多分自民党が…

下学上達の本棚:第34回「<映画の見方>がわかる本『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで」町山智浩

「映画なんてどんな見方をしようとオレの勝手だ」 そう言う人もいるでしょう。たしかにその通り。でも、映画や音楽や絵画は、人間が作るものである以上、作品の表面に直接は描かれない作者の意図、もしくは作品の背景が必ず存在するのです。 (「<映画の見…

下学上達の本棚:第32回「オタク・イン・USA」パトリック・マシアス

世界のオタクたちが日本のオタク文化とファースト・コンタクトするきっかけはそれぞれ違うけれど、根っこの部分には共通するものがあると思う。つまり、彼らはみんな生まれてからずっと自分をとりまく環境、支配的な文化に対して不満があって、そこからの脱…

下学上達の本棚:第31回「類語国語辞典」

………いま一つは、選ばれて文脈の中で使われる語は、実は文の上では使われなかった単語との間の潜在的な関係において制約されながら使われているということである。例えば、「眺めやる」という単語が文脈の中で使われるということは、実は、「見る」「見やる」…

下学上達の本棚:第30回「マイナス50℃の世界」米原万里

マイナス二一度が暑い、なんて日本では考えられないことですね。でも十二月の平均気温がマイナス五〇度にもなるヤクートでは、本当にそう感じられるのです。 ヤクートの東部、オイミャコン地区では、マイナス七一度を記録したことがあります。北極より寒いの…

下学上達の本棚:第29回「おしえて!さかなクン」さかなクン

ギョギョー! みなさん、さかなクン好きですか。ぼくは好きです。 僕の心の中の「こうはなれないけど憧れる男ランキング」第1位がさかなクンです。2位以下?まあどうでもええやん。(考えてない)とにかく僕もいずれさかなクンのような男になりたいと思って…

下学上達の本棚:第28回「ヒゲのウヰスキー誕生す」川又一英

「マサタカさんは大きな夢に生きていらっしゃる。その夢は日本で本当のウイスキーを造ることですね。わたしもその夢を共に生き、お手伝いしたいのです」 (リタ「ヒゲのウヰスキー誕生す」川又一英) 「花子とアン」もいよいよ佳境ですね。戦争が終わって赤…

下学上達の本棚:第27回「モーパッサン短編集」モーパッサン

読書の秋!には小説がド定番。 ということで今日は自習室の小説をご紹介。 今回は、短い時間で読める「モーパッサン短編集」をご紹介いたします。 モーパッサン短篇集 (ちくま文庫) 作者: ギ・ドモーパッサン,Guy de Maupassant,山田登世子 出版社/メーカー:…

下学上達の本棚:第26回「おおきなかぶ」ロシア民話 A.トルストイ再話

「うんとこしょ、どっこいしょ」 おじいさんはかぶを収穫しようとしましたが、大きすぎて一人では抜くことができません。 (「おおきなかぶ」ロシア民話、A.トルストイ再話) おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本) 作者: A.トルストイ,佐藤忠良,内田莉…

下学上達の本棚:第25回「日本人の知らない日本語」蛇蔵&海野凪子

ここでクイズ! 「親切」という言葉はなぜ「親を切る」と書くのか? 正解は一番下で。 私は以前塾講師をしてまして、専門は地理歴史だったのですが「チミィ〜3教科くらいはやってくれないと困るよ〜」と言われ国語と数学(というか算数)も教えてました。 …

下学上達の本棚:第24回「世界史劇場 イスラーム世界の起源」神野正史

歴史を学ぶとき、その時代の人たちの心を感じ、その息づかいが聞こえてくるようでなければ、それは「歴史を学んだ」ことにはなりません。 歴史学習とは、「感じるもの」「たのしむもの」「体感するもの」であって、けっして「暗記する」ものではありません。…

下学上達の本棚:第23回「生涯最高の失敗」田中耕一

要は、なにかおかしいと思う結果が出たときに、常識にとらわれてその結果を見逃さないこと、理論とちがった結果が出てきたときに、失敗した、実験が間違っていると決めつけないこと、それに尽きるのではないでしょうか。 (「生涯最高の失敗」田中耕一) 私…

下学上達の本棚:第22回「サッカーの憂鬱 裏方イレブン」 能田達規

サッカーは世界につながっている (「サッカーの憂鬱 裏方イレブン」能田達規) 私はサッカーを見るのは好きなのですが、私自身がサッカーをプレイすることはありません。そもそもボール持ってないし。中学高校と部活もテニスなんで、サッカーは体育の時間や…

下学上達の本棚:第21回「学び続ける力」池上彰

学び続ける力 (講談社現代新書) 作者: 池上彰 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/01/18 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (15件) を見る 学び続ける力 (講談社現代新書) 作者: 池上彰 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 201…

下学上達の本棚:第20回「忘れられた日本人」宮本常一

「 ……… しかし、わしはあんたのような物好きにあうのははじめてじゃ、八十にもなってのう、八十じじいの話をききたいというてやって来る人にあうとは思わだった。しかしのう、わしは八十年何もしておらん。人をだますことと、おなご(女)をかまう事ですぎて…

下学上達の本棚:第19回「三色ボールペンで読む日本語」齋藤孝

三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫) 作者: 斎藤孝 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2005/03 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 26回 この商品を含むブログ (55件) を見る 自習室の書籍は基本的に私の個人的な蔵書でもあるのですが、漫画はともかく…

下学上達の本棚:第18回「帰ってきたヒトラー」ティムール・ヴェルメシュ

帰ってきたヒトラー 上 作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/01/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (25件) を見る 帰ってきたヒトラー 下 作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫 出版社/メーカー: 河出…

下学上達の本棚:第17回「しろくまちゃんのほっとけーき」わかやまけん

自習室の本は、基本的には気分転換で読んで頂くという名目なのですが、まあ今までご紹介した本というとどれも結構読み応えのあるものが多く、ホントに5分くらいの休憩でパっと切り替えるための本というのは少なかったかもしれません。 サっと読んで気分を切…

下学上達の本棚:第16回「空気の発見」三宅泰雄

このガリレイのような心がまえを、私たちは「科学的精神」とよびます。いいかえれば、科学的精神というのは、自分のなっとくできないことは、それが、どんなに、えらい人がいったことでも、また、たとえ、千人、万人が昔から信じていることでも、あるいは、…

下学上達の本棚:第15回「トルコで私も考えた」高橋由佳利

紀行文、紀行エッセーというのは世に数多ありますが、紀行マンガというと意外と数が少ないのです。とくに男性の描いた紀行マンガというのは、私の知る限り殆どありません。「インドまで行ってきた!」の堀田あきおくらいかな。 でも女性作家の描いた紀行マン…

下学上達の本棚:第14回「山椒大夫・高瀬舟・阿部一族」森鴎外

「そんなら今一つお前に聞くが、身代わりをお聞届けになると、お前はすぐに殺されるぞよ。父の顔を見ることは出来ぬが、それでも好いか。」 「よろしゅうございます」と、同じような、冷かな調子で答えたが、少し間を置いて、何か心に浮かんだらしく、「お上…

下学上達の本棚:第13回「落合シェフの美味しすぎるイタリア料理」落合務

みなさん朝のテレビは何を見ていますか。 まあ最近はテレビ見ない人も多いので何も見ないで出かける方もいらっしゃると思います。テレビをつけてても時計代わりにしてるだけとか。 僕はなんだか気がつくとNHKばっかり見ているので、朝はいつも「おはよう日本…

下学上達の本棚:第12回「ガンダム世代への提言 富野由悠季対談集」富野由悠季

ありがたいことに僕は10年後には死んでいるだろうから、後のことは次の世代の方々に考えてもらえればいい。ただ、そのときの新興勢力を育てるために、『Gレコ』のような作品を立ち上げる必要がある。 (富野由悠季「GUNDAM 35th ANNIVERSARY BOOK YOSHIYUKI …

下学上達の本棚:第11回「レモンをお金にかえる法」ルイズ・アームストロング、ビル=バッソ

レモネードや犬ごやなど、もののねだんはどんどん上がる。 車あらいや しばかりなど、サービスのねだんも上がりつづける。 でも、ピーウィーがあらう車もダイアンがつくる犬ごやも、 まえより かずがふえたわけではないから、生産性はいままでどおりだ。 そ…

下学上達の本棚:第10回「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」山中伸弥・緑慎也)

山中教授がノーベル医学・生理学賞をとられてから、早いものでもう二年になるのですねえ。なんだかついこの間のような気がしますが… いま「細胞」という言葉を聞いて殆どの人が思い浮かべるのは、STAP細胞のことでしょう。今年に入ってからはずっとSTAP細胞…

下学上達の本棚:第9回「城物語」

突然ですがここでクイズ。 「ドイツ料理を述べよ。ただしソーセージ・ポテト・ビールは禁止」 …どうでしょう、意外と思いつかなかったんじゃないですか? ……ザワークラフト?まあそうねえ。 じゃあ他になにがあるんだって?えーっと…ガチョウの丸焼きとか…キ…

下学上達の本棚:第8回「暖簾」山崎豊子

「浪花屋はん、銀行いうもんは確かな堅いものにしかお金お貸しできまへん。あんたは家を抵当にして借金して建てた工場がやられたとこやおまへんか、それに今度は一体、なにを抵当にして借金しはりますねん」 「抵当だっかーー」 思わず、声に力がこもった。 …